先日、カナダのケロウナ市が主催する夏のイベントで、100人規模のパークヨガを担当する機会がありました。
目の前に広がる参加者の多さに、「やばい、どうしよう!?」と心臓がバクバクの私。
指導歴を重ねても、初めての、しかもこんな大きな規模でのクラスは緊張しますね。
おそらく私と同じように大人数クラスやイベントで緊張を感じるヨガ指導者の方は多いのではないでしょうか?
人前で話すのが苦手という方は、意外とヨガインストラクターに多いと聞きます。
今日は、そんなドキドキの経験から学んだ、生徒さんとの心の距離を縮める秘訣と、自信を持ってマットに立つためのコツをお伝えします!
初めましての方へ、
カナダ・ケロウナ在住のヨガインストラクターYohです。日本の皆さまへは、40代50代女性特有のお悩みに寄り添う、朝5時オンラインヨガ、そしてヨガインストラクターのみなさんが感化しあえるコミュニティグループ、ヨガインストラクター勉強会、そのミニバーションのヨガインストラクター座談会を開催しています。
生徒さんとの距離を縮めるために私がしたこと
100人もの人を目の前にした時、
私がまず思ったのは
「この大人数との距離感を少しでも縮めたい!」という思い。
その思いとは裏腹に緊張の方が先走っていて、開始時間は近づいていく・・・(苦笑)。
これはやばいぞと思い、クラス開始時間の数分前に勇気を出してこんな質問を投げかけてみたんです。
「今、腰が辛いって方は手を挙げてくださーい」
まばらに手が挙がる(苦笑)。
「肩はどうですか?」
あ、結構頷きながら手挙げてくれてるな!嬉しい♡
「膝はどうですか?」
おぉ!ジェスチャー入れて共感してくれてる!?めっちゃ嬉しい!
広い公園では一人ひとりの様子を見て回ることはできませんよね?
でも、この問いかけはびっくり効果的でした!
最初は遠慮がちだった皆さんが、私の質問に少しずつ反応してくれるようになったんです。
このタイミングで、ドキドキが少し収まり、クラスを進行していくための「エンジン」がかかったのを感じました。
きっとご参加された方たちの緊張感もほぐれたんじゃないかな?
これは、大人数のヨガレッスンでも「あなたはちゃんと見ているよ」というメッセージを伝えるのに、とても大切なことだと思うんです。
特に40代、50代のヨガ好きの方は、ご自身の身体の悩みを抱えている方も多いので、最初に寄り添う姿勢を見せることが安心感につながります。
完璧なクラスは目指さない!
私たちヨガインストラクターは、入念に準備したクラス構成を、完璧に進めたい!って思いますよね。
私もそうです。 でもね、実際はうまく進まないことの方がほとんどで、準備してきたことを全部できた!って達成感を感じるのは実はヨガインストラクターだけの自己満足だったりします。
今回のパークヨガの私にも同じようなことが起きちゃったんです。
クラスが進み、ダウンドッグのバリエーションを導入した時、多くの生徒さんが「およ!?この人の言ってることが分かりませーん!」と戸惑っているのが見えてしまった・・・。
もちろん私の心の声は「ヤバい、この動きは早すぎたかな…?」 明らかに空気が戸惑っている! 明らかにみんなが引いているヨォ・・・!
でもそこで焦らない!
正直に「皆さんこの動き、戸惑ってたみたいだからゆっくりいきましょう」とお伝えしてみると、不思議なんですが私の気持ちも落ち着いてくるんです。
ヨガクラスは、ロボットのように準備したものを与えるだけの時間ではありません。相手の反応を見て、リアルタイムで調整していくことが何より大切。
生徒さんと足並みをそろえていくことがシークエンスをこなすよりも大事。
これはクラスの規模が多くても小さくても同じことですよね。
すべての人には好かれません!
年齢も、性別も、練習歴もバラバラな100人の前で「全員に満足してもらいたい」と思うのは、不可能なこと。
そこで私は、万人ウケするクラスを目指すのはいつのまにかやめました!!!
代わりに目指すのは、「私自身が受けたいと思う、シンプルで心安らぐクラス」。
そして、一つひとつのポーズに「軽減法」や「バリエーション」を複数準備します。
これは、ヨガ指導の悩みを抱える方へのヒントにもなると思います。
生徒さんの評価が気になるのは当然ですが、何より大切なのは「自分自身が納得できるクラス」を届けること。
それが結果的に、共感してくれる生徒さんを引き寄せる一番の近道になるのではないでしょうか。
「軽減法」「バリエーション」の増やし方
きっと、今「分かったけど、どうやってその引き出しを増やせばいいの?」と感じた方もいるかも?どうでしょう?
やっぱり確実なのは・・・ 自主練を続けて、身体が生み出す動きを探求し続けること! それに加えて、私が意識しているのは次の2つの視点です。
①「ユニバーサルデザイン」の視点を取り入れる
ヨガを、年齢や身体の状態に関係なく、誰もが快適に楽しめる「ユニバーサルデザイン」だと考えてみましょう。
軽減法は、単にポーズを簡単にするものではありません。
「どんな身体の人でも、ヨガの恩恵を平等に受けられるようにする」ための重要なツールだと思うんです。
例えば、股関節に痛みがある方には、立ったポーズを座って行うバリエーションを。肩が痛い方には、腕を上げずにできる方法を提案する。
そうすることで、クラスがよりインクルーシブになり、「このクラスなら安心して参加できる」という信頼感につながります。
②「安全性の確保」という意識を持つ
軽減法やバリエーションを常に持つことは、ヨガ指導者として幅広い年齢層や、練習のバックグラウンドを持つ生徒さんのために絶対持っておきたいスキル!
ポーズによっては、無理をすると怪我のリスクが高まることもありますよね。生徒さんの身体をしっかり見極め、適切な代替手段を提供することは、指導者として生徒さんの安全を守るために当たり前です。
「この先生は、私の身体を一番に考えてくれている」と感じてもらえる先生になりたいですよね?
まとめ
- 生徒さんとの会話を大事にする
- 完璧クラスはありえない
- 万人受けするクラスを作らなくてOK
大勢の前での緊張は、指導者なら誰でも感じること!
でも、その「ドキドキ」を俯瞰できるようになって、生徒さんとの心のつながりを感じた時の達成感はかけがえのないものだと思います。
この経験が、あなたの次のヨガレッスンの自信につながれば幸いです。
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