ズームインとズームアウトができる身体づくり

ズームインとズームアウトができる身体づくり

――痛みや不調にとらわれすぎない「全体感覚」を育てよう

Gautama Buddha figurine near plants

日曜日の夜、カレンダーを見ながら来週のスケジュールを立てていると、頭がぐるぐるしてきて「うわ〜」と叫びたくなるとき、ありませんか?

私はあります・・・しかもほぼ毎週(笑)

あれこれ予定をこなしていると、目の前のことで精一杯になって、呼吸も浅く、気づけば肩も上がりっぱなし。ふと気が抜けた頃に風邪を引く――そんなパターンも、何度繰り返したことか…。

そんな経験を繰り返すなかで思うのは、

ズームインとズームアウトの両方ができる視点は、現代人にとって必須のスキルだなぁ

ということ。

そしてこれは、心や予定管理だけじゃなくて、「身体との向き合い方」にもそっくりそのまま当てはまるのです。

痛いところだけにズームインしていない?

たとえば「腰が痛い」としましょう。

私たちはその痛みにすぐに“ズームイン”します。
ストレッチをしたり、湿布を貼ったり、整体に行ったり――とにかく「その部分をなんとかしよう」とします。

person holding silver and white pen

それはもちろん大切なこと。
ただ、その痛みにフォーカスしすぎてしまうと、逆に「身体」という全体像を見失ってしまうことがあるのも事実。

痛みや不快感があると、そこにばかり意識が集中して、「ここがダメだ」「ここがおかしい」と、心までネガティブになってしまう。

でも本当は、痛みがある時こそ“ズームアウト”して、全体のバランスや動きのつながりを見る視点が必要なんですよね。

ヨガの視点:身体はつながり合う“ひとつのユニット”

ヨガでは、身体・心・呼吸・意識を「別々のもの」とは見ません。

すべてが一つのまとまりとして働いている、と考えます。

身体のどこかが不調なとき、それはその部分だけの問題ではなく、全体の流れや使い方、感情や呼吸の質などとも関連しているんです

例えば腰痛。

腰自体の問題だけでなく、足の使い方や骨盤の傾き、肩や首の緊張、呼吸の浅さ、長時間の座り姿勢など――複合的な要因が絡み合っていることが多いです。

「腰が痛いなら、腰だけをなんとかする」ではなく、
「体全体をもう一度動かして整えていこう」という視点が、とても大事。

ズームアウトの実践:「全身で動く」ことの大切さ

ヨガのポーズは、まさに「部分」と「全体」のバランスを取りながら動く」練習

たとえば「キャット&カウ(猫と牛のポーズ)」のようなシンプルな動きでも、背骨を波のように動かすことで、全体の連動を感じることができます。

また、太陽礼拝のような流れるような動きは、身体を一つのまとまりとして捉えるのにぴったり。

こうした全身を使う動きは、筋肉や関節だけでなく、神経系にも働きかけます。

“部分”に集中しすぎて過敏になっていた神経の反応が、全体のリズムに取り込まれて、自然と落ち着いていくんです。

ズームインの実践:「観察する力」を育てる

もちろん、「ズームイン」も大切なスキルです。

ヨガの練習では、特定の部位に意識を向けて、

  • この動きはどこまで快適?
  • どこが先に力んでしまう?
  • 呼吸は止まってない?

など、微細な感覚に気づいていく練習もします。

これは、身体への気づきを高める“ボディスキャン”のような効果もあり、回復のヒントを自分で見つけていく力につながります。

ヨガではこれを「サティア(真実)」という言葉で表すこともあります。
つまり、感覚に対して“誠実に”“判断せずに”向き合う力です。

呼吸と瞑想は「認識のレンズ」を整えるツール

呼吸に意識を向ける時間。
瞑想で思考を観察する時間。

これは、私たちが今どこに意識を置いているかどういう視点で物事を見ているかを見直す「レンズ調整」の練習でもあります。

忙しい日々の中では、自分の感情や身体の状態すら、意識の外に置き去りにしてしまいがち。

でも、呼吸を感じて静かに座るだけで、一歩引いた視点(ズームアウト)を取り戻すことができます。

逆に、丁寧に感覚に向き合う瞑想はズームインの練習にもなります。

この切り替えが自在になれば、身体に不調が起きた時にも、「慌てず、広い視点で捉えて対応する」ことが可能になる!ヨガの恩恵ってすごいですよね!?

まとめ:自分の“レンズ”を自分で調整できるようになる

忙しい時こそ、痛みがある時こそ、

ズームインとズームアウトの両方を使い分ける力

がとても役に立ちます。

✔︎ 細やかな感覚に気づき、自分をいたわる力(ズームイン)

✔︎ 全体を見渡し、余白を持つ視点(ズームアウト)

このふたつの視点を行き来する力は、自分で自分を整えるセルフケア力であり、
そして、ヨガがもっとも得意とするアプローチでもあります。

ポーズの練習でも、呼吸の練習でも、まずは「どこに意識を置いて動いているか?」を感じることから始めてみてください。

その日その時の“レンズ”を自分で調整する力を、あなたの中に育てていきましょう。

\今日の練習のスパイスになれば嬉しいです/

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